老いたワイフとうどん
このところ雨がちの毎日ですが夕方には晴れ間が覗き、夕焼けが日没とともに刻々と変化してゆく様を楽しませてくれます。
そう言えば海岸線で多くの旅行者が夕方にカメラを担いで西の空を注視しているのをよく見ます。
ひょっとしたら夕陽の美しい名所なのかもしれません。
ワイフの滞在中悪い天気が続きせっかくアムステルダムからやって来た意味があまりなかったように思われた
今回。次回クリスマスタイムに来る時はいつも青空が広がっていればいいな。
ワイフは日本食も作れますが、麺類をあまり好まないので、彼女が居ない時は私の大好物のうどんを食べます。
“麺を打つて見ろ”と言われれば打てない事もないですが、やはり乾麺になります。でも出汁はしっかりと昆布
からとり、マデイラ産のドライ鰹で仕上げます。
ドライ鰹(gaiado seco)とわ:カツオを頭から真っ二つに開きかなり乾燥させたもので、ポルトガル人が好んで食べる棒鱈もどきと
同じように魚屋の店頭に置かれています。
うどんのつゆを作る時は既成の鰹節よりもこのドライ鰹の方が深みのある味が出るので愛用しています。
私が大学生の時には、遅くまで麻雀したものでしいたが、買い置きの即席ラーメン等が切れていると
屋台のうどん屋まで誰かの車ではしたものでした。半世紀も前の話ですが、大阪にはラーメンの屋台同様
うどんの屋台も沢山ありました.
今回作った素うどんの味から何か懐かしい物を感じて、何だろう!何だろう!と思っているうちに、
“そうだこの味はあの時のあの味だ”まさしく屋台のうどんの味だと、懐かしいやら嬉しいやら美味しいやらで、大興奮しました。
物覚えもそうですが若かった時に覚えたことはなかなか忘れないものです。味覚もまた半世紀経っても忘れないんですね。
次回もこの味が出せますように祈っています。
Quinta do KY Ken